居宅介護支援の特定事業所加算、取得は難しい?
2009年11月6日配信
立教大コミュニティ福祉学部の服部万里子教授と日本介護支援専門員協会の木村次会長は11月5日、日本在宅介護協会東京支部がケアマネジャーなどを対象に 開いたセミナーでそれぞれ講演し、居宅介護支援事業所の特定事業所加算について言及した。服部教授は、加算の取得は難しいと指摘し、基本単価の引き上げが 必要だと訴えた。一方、木村会長は、地域の利用者が安心できる居宅介護支援を行うには、24時間の連絡体制確保など、特定事業所加算の算定要件を満たすこ とは重要だと指摘。1-2人のケアマネジャーで運営する居宅介護支援事業所は合同事業所を設立し、加算の取得を目指してほしいと呼び掛けた。
講演で服部教授は、まず厚生労働省が実施した2008年介護事業経営実態調査のデータを示した。居宅介護支援事業所1事業所当たり平均12万6000円の 赤字(08年3月)で、今年度の介護報酬改定で改善したものの、依然として赤字は解消されない状況だと述べた。また厚労省では、経営改善の方法の一つとし て、常勤かつ専従のケアマネジャー3人以上の配置や、24時間の連絡体制確保などを評価する「特定事業所加算()()」の取得を挙げているが、加算を取得 している事業所は約2割に過ぎないと指摘。そもそもケアプランの請求数が5年前と比べて約23%減少しているため、各事業所は常勤職員を増やしても職員の 給与などを十分に賄うことができず、加算の取得は難しいのが実情だと語った。
その上で、居宅介護支援の報酬設定は、「制度設計の誤り」と指摘。基本単価を上げることが必要だと強調した。また、ケアマネジャーの人数で居宅介護支援事業所の質が決まるわけではないとし、ケアマネジャーの専門性こそが問われるべきだと主張した。
続いて講演した木村会長は、担当のケアマネジャーに電話しても連絡が取れないなどの声が利用者から上がっていると指摘。「本来の契約事項と違う」との批判 を免れないとし、「そこを順守できるような体制作りが必要」と述べた。その上で、利用者にとって安心な居宅介護支援を行うには、特定事業所加算の算定要件 を満たすことが重要との考えを強調した。さらに、3人以上のケアマネジャーを配置すれば、研修会にもきちんと参加することができるほか、休みも多く取るこ とができ、職場環境の改善にもつながるとした。
その上で、1人または2人のケアマネジャーが勤務している居宅介護支援事業所は、「ぜひ合同事務所をつくって最低でも特定事業所加算()は取れるようにし てほしい」と述べた。特定事業所加算()を取得している事業所では、経営状態が明らかに改善されてきているとのデータがあるとしたが、その場合でもケアマ ネジャー1人当たり30件以上を担当していないと「厳しい」とした。







