肺での新型インフルウイルス増殖確認 長野赤十字病院
2009年11月19日配信
基礎疾患(持病)があり、新型インフルエンザに感染して亡くなった患者の肺で、ウイルスが増殖していた様子を長野赤十字病院(長野市)の羽田悟検査部長らが18日までに解剖で確認した。同病院によると、新型インフルで死亡した人の解剖例の報告は全国でも珍しい。持病などで免疫力が弱まっている場合、鼻やのどだけでなく肺でもウイルスが増殖し、重症化する恐れがあることをあらためて裏付ける内容。19日に東京都内で開く日本病理学会で発表する。
同病院は家族の了承を得て、新型インフルに感染して8月に呼吸不全で死亡した県内の30代男性の遺体を解剖。肺胞を包み、肺胞中の酸素と肺胞に接する血管内の二酸化炭素を交換する肺胞上皮の細胞などでウイルスが増殖していたことを確認した。肺全体の腫れや出血も目立っていたという。
羽田部長によると、男性はウイルスにより肺胞内に体液が漏れ出すなどし、酸素と二酸化炭素の交換が妨げられ、血液中に十分な酸素が行き渡らずに呼吸不全に陥ったとみられる。
ただ、季節性インフルエンザに感染して重症化した場合に多い細菌感染による合併症は確認されず、羽田部長は「新型インフルのウイルスのみが影響して肺炎を引き起こしたのではないか」とみている。
厚生労働省によると、17日現在で新型インフルエンザの疑いも含めた国内の死者は65人。亡くなった患者の解剖例について、同省は「病院などに報告を求めていないので分からないが、これまでに1、2例あったと聞いている」としている。
感染症に詳しい東海大医学部の永倉貢一講師は「新型でも季節性でも、インフルエンザウイルスは肺や肺胞に入ることはあるが、基本的に免疫力があれば増殖しにくい」と説明。免疫力が低い乳幼児や基礎疾患のある人などにいち早いワクチン接種が必要-と話している。







